seri::diary

日常

転職にまつわる昔話

  • この文章は、昔某サービスで書いていた日記を改めて読んでみたら結構面白かったのでそのサービスが無くなる前にこちら転載したもの。
  • 一部修正済み。

こういう話、する相手も居ないけど自分の備忘録代わりに書いておく。

時は新卒で、SIerでSEやってていた頃。

なんとかして「エスイー」から「エンジニア」になりたかった俺は、片っ端から面接受けまくっていた時期があって、その中にはエンジニア派遣の会社もあった。正社員として雇用しつつも実質的には派遣、みたいな。社名は控える。

んで、書類送ったら普通に面接に来いと言われたので行った。

これこれの理由でエスイーからエンジニアになりたいんですよねぇという話をしたら、「そんな大手に勤めてるのにプログラマになりたいの?変わってるねぇ」と言われた。まぁそうだよね。下流に降ろうとしてるし、給料も下がるの覚悟な訳で。

その面接はなんか適当に終わって、その次は部長クラスが出てきた。

したら開口一番

「私、御社(自分の当時の勤務先)と仕事させて頂いてますよ」

まぁそうなるな。大量に派遣使ってる上流エスアイアーなので。

それはさておき、わたしゃエンジニアになりたいのですよ。

「うーん。紹介できなくもないですが、ホントに作業みたいな感じですよ」

構わんよ。コードが書けりゃ。

「うーん。。そうですねぇ。でもかなり貴方だとオーバースペックかも」

でもXXXのYYYでしょ。悪くないと思いますが。

「うーん。場所もZZZ県ですし。いや、いいとこですけどね。会社からも近いとこにマンション借上げしてますし。」

良さそうじゃなイカ

と思った矢先

「でも私はおすすめしません」

マジかよ。

「今日私はseri_kさんと話してね、思ったんですよ。あなたのような人と直接仕事がしたいって。だからこの仕事は紹介したくないんですよ」

わしゃヒラのエスイーで、外注手配する部署じゃないぞ。。。

「seri_kさんは今の仕事に非常に悩んでるみたいですが、それは仕事に真剣に向き合っているからだと思いますよ」

人材会社らしいことをおっしゃる。

「だからもっかい考えてください。今日は結論を出しません。」

ということで終わってしまい、その後自分でも考え直して、時間がかかっても普通に正社員としてjoin出来るクチを探そうと思い直して自分から辞退した。

なお辞退するために送ったメールの返信でも「賢明な判断だったと思います」という返事をくれた。

それ以来、その部長クラスのオッサンとは一度も会ってないが、適当な担当者が面接していたら自分は今頃ZZZ県でYYYの開発しかできないオッサンになってたかも知れないしワープアになってたかも知れない。

安易な選択をせずに考え直させてくれたあのオッサンには感謝している。

あの人からしたら、ひとりでも多く派遣の頭数を揃えてクライアントに紹介出来た方が良かったはずだ。

しかしそれをせず、自分にとって結果的に良い選択をさせてくれた。

社会に出てから何度かこういう不思議な出会いがあったが、全く知らない人に対しても気をかけてくれることもある、という人の業の深さを知ったはじめての出来事だった。