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日常

目標がないならまずは地味なエンジニアを目指してみるのもいいかも?という話

ワカモノは悩んでいるらしい

自分は今年で旧エヴァミサトさんと同い年という感じで若くないせいか、たまに自分より年下の知り合いに会うと、仕事の悩み相談みたいな展開になることが多い。

会社もバックグラウンドも年齢もそれぞれ違う彼らの悩みは多種多様であるように聞こえていたのだが、最近ある共通点に気づいた。「このままじゃいけない」と無意識に思い込んでいる点である。

今以上にスキルをつけなければいけない、成長しなければいけない、ユニークな仕事をしなければならない、など人によって異なるのだが、なぜか「~なければいけない」の思いを持っていた。

そしてもう一つ共通しているのが、その「~なければいけない」の目的が見えないという点である。何となく焦っているのは分かるのだが、その焦って行動した結果によって自分が何を得たいのか。これまで色んな悩み人と会ったが、共通してそれが見えてこなかった。それとなく中長期的な計画を訪ねてみても、明確な答えが帰ってきたことは一度もない(それが分からないから悩んでるんだろうけど)。

とりあえず今を生きるのは精一杯、しかし現状に対して不満や不安を感じている。少し前の自分もこんな感じだったので人のことは言えないのだが、まぁそういう傾向がある人が自分の周りには多かった。

「地味なエンジニア」のススメ

そんな感じなので、悩み相談とはいうものの結局は彼らの職場の愚痴を聞いてやることしか出来てない訳なんだけど、今何かアドバイスするなら、いきなり凄いことをやることを目標にするんじゃなくて、今目の前に積んであるタスクを一生懸命やって、結果を積み上げ続けて信頼されるようになりなさいよ。以上。

…平凡過ぎる、この老害が、ダメエンジニアが、万年草なしgithubアカウントが、と罵りの声が至る所から飛んできそうだけど、決してブログだからといって適当なことを言ってる訳じゃなくて、マジでこれをちゃんと続けられない人が多いんだってばよ。

オッサンに片足突っ込んだ自分がこれまでのキャリアを振り返ると、長く生き残ってて周りから信頼されてる(ここがミソ)エンジニアって、まず目先のことに最大限取り組んで、ちゃんと結果を出して、それを積み上げて今がある人ばかりだった。逆に、消えていった人や、歳だけ取って成果を出せない人はその逆が多かった。

どんなに地味な仕事、例えばwebappのtemplateファイルを1行修正するだけの文言変更とか、デザイナーの代わりに1日中延々とデザイナが作業した修正分をmasterマージし続ける仕事とか、1日中SQL打って本番データを調査するとか、そういう地味な仕事だって誤字も無くつまらないバグもなく確実にこなしてる。で、時々客観的に見てもすごいと思われる重要な仕事しっかりこなして、周りから賞賛される。けど、普段は大体地味で目立たない仕事を嫌な顔せず淡々と続けてる。だから結果的に周りから凄く信頼されている。

そういう「淡々と」頑張るエンジニアがチームを支えているという構図を何度も見てきた。もちろんその人だけがチームを全て支えている訳ではないが、そういう精神的屋台骨的な、困ったときの駆け込み寺みたいなポジションの人が必ずチームにはいたし、エンジニア、非エンジニア問わず信頼されていた。

もし今自分の目標がないならば

別に、すべてのエンジニアが、今自分がいるチームから信頼されるようなエンジニアになりたいと思ってる訳ではないと思う。誰にも真似できない技術を身につけてそれを元に食っていくことが目標だったり、1人で密かにすごいものを作って一発当てることが目標、みたいな人もいると思う。あるいはエンジニアは新卒入社から2~3年で辞める予定で、将来は企画とかプロマネとかコンサルとかにジョブチェンジしたいという人もいると思う。(なお新卒時の自分はSEを経てITコンサルになるつもりだった)

目標は自由であっていい。そりゃ自分の人生なんだから。

けど、もし今、何の目標もなくて何となく焦ってしまっているようであれば、まず自分の目の前に置かれている、退屈かも知れない仕事をこなすことに集中して、それを積み上げていくことに集中してみても、きっと損はないよということを言いたかった。

自分にしても、プログラミング自体ちゃんとやるようになって5~6年だし、未だに大した技術力もアタマもないのにここまでやってこられたのは、目の前のタスクをこなすことにいつも全力で集中してきたからだと自負している。積極的に新しいことを勉強してきた訳じゃないけど、目の前の課題を解決するためにあれこれ模索してきた結果として、それなりにスキルもついてきている。途中、全く悩みがなかった訳ではないけど、目の前のタスクに全力で取り組んで結果を出して今自分がいられる場所を形成し続けることがこれまでの自分の生存戦略だった、とも言えるかも知れない。