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日常

「社内での評価」にこだわるか「自分の満足」を優先させるか問題

現職に入社してから1年と6ヶ月が経った.自分が同じ会社に1.5年勤務しているというのは割と長い方である.ただ,この間何も変化がなかった訳ではなく2回のチーム異動があったりもした.しかし今後も特になにもない限りは現職で勤務を続けるつもりである.

それとは別に,ここ数年ずっと悩み続けている問題がある.それは普段の自分の労働において「社内での評価」と「自分の満足」のどちらを優先するかという問題である.

平たく言えば,昇進するために我慢してでもやりたくないことをやるか,自分が価値があると信じる行動を優先するかという問題である.なぜこのような問題について悩み始めたかというと,社内での評価を気にせず仕事をしていると給料が上がらなくなってきたと感じ始めたからである.自分としては大きな成果を出せたと思った期でも評価がパッとしないことが増えた.先に断っておくと,これは現職の評価制度が問題という訳ではなく前職からである.少なくとも20代の頃は何もしなくても給料が年々伸び続けたのでこのようなことを考えたことがなかった.より正確には「社内での評価」なんてものを考慮する余裕すらないぐらい目の前の業務をこなすのに必死だったり夢中だったりしたからだと思う.それでも結果的にどんどん自分ができることは増えたし給料も増え続けたので悩むことはなかった. しかし30代半ばになってきた辺りから状況が変化してきた.評価面談の度に「自分の手応え」と「社内での評価」にgapを感じるようになってきた.自分としては「このObjectiveのこのKR達成のためにこのような貢献をした」だったり「こういう取り組みをして社の開発生産性向上に貢献した」という具体的なactionを示すことができてはいたものの,そのactionに対する自己評価が「社内での評価」とは悪い方にズレるケースが増え始めた.はっきり言えば「給料が思ったように上がらない」状態である.

この事象の原因について,ずっと原因を自己分析をしてきたり歴代のマネージャと議論してきたが,今のところ明確な原因と対策は分かっていない.逆に明確な原因が分かるとしたらそれは現職の人事評価制度がリバースエンジニアリングされているということになるのでそれはまずいのだが,自分が次の期の評価のタイミングで「社内での評価」を上げるためにどうしたらいいのかが分からないでいる.

そもそも自分は「社内での評価」をこれ以上上げたいのだろうか?先に現職での立ち位置を雑に説明しておくと,Management roleではなくIndivisual Contributor roleのSoftware Engineerとして社に所属しており,今のところManagement roleにシフトするつもりは特に無い.社員ladderはそれなりに高い方に来ているがまだ上のladderがある段階である.そのような立ち位置の人間に会社から求められている事と,自分のSoftware Engineerとして進みたい方向にズレが来ているという可能性がある.可能性がある,というよりはほぼ確信している.だから,マネージャから求められていると思われるactionを増やして社内での評価を意識的に上げるか,今の評価を維持し続けられるならヨシとして現状維持をするかを悩んでいる.前者なら,一例として,普段の自分の業務においてProject / Product managementに近い仕事の割合が増加し,技術的な課題と向き合う時間が減少することが考えられる.あるいは労働時間を増やして後者の時間を確保し続ける生活に変化させる.それを受け入れられるかどうかについて悩んでいる.

自分を曲げてまで社内の評価を取るか,と表現すると大げさかも知れないが,これまで自分の人生において,仕事というのは相当に大きいウェイトを占めてきた存在であり,仕事の成果とはほぼ自分そのものであってほぼ自分の生活である.これまでの自分の努力や自己投資してきた金銭や時間を裏切るようで,簡単には変えられない.正直に言うとそのように感じている.要は感情の問題なのだと思う.感情の問題の方が大きく,いつものように損得勘定だけで自分を律することが難しい.そもそも自分は,その程度の損得勘定を受け入れることができない程度の低い人間であって,民間企業で働く1会社員としては,今いるポジションがどうやっても限界なのかも知れない.