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プログラミングのこととかポエムとか

『1日ひとつだけ、強くなる。』を読んだ

プロゲーマーという立場で書かれてはいるが、内容は格ゲーに特化したものではなく、割とどんな分野でも応用の効く内容だと感じた。

特に、ソフトウェアエンジニア(以下SWE)として働いていた身としては、SWEとしての仕事と「eスポーツとしてのゲーム」との共通点を感じる部分が多かった。SWEもウェブ上のメディアで成長に関するトピックが頻繁に話題に上がる。実際自分も自分の成長について悩む事がこれまでに少なくなかった。SWEをやっていると、知らなければならないこと、身につけなければならないことが延々と増え続けるので、その中でどのような道を決定して自分を成長させていくのか、ということは実際難しいことだと思う。

そういった『成長』とどう向き合っていくか、ということがこの本の主題のように思った。
強くなるには成長が必要だが、どのように成長するか。成長するために新しいことを試すにはリスクがある。しかし、一方で変化を恐れたり、怠慢して何もしないといずれ時代遅れになって通用しなくなり、結果的に自分の価値を失う。SWEとして働く世界においても全く同じだと思う。

本書ではウメハラさんが彼の後輩から「どうして成長しないといけないんですか」と聞かれたことがあるというエピソードが紹介されている。*1それに対してどう答えたかは書いてないが、代わりに成長に関してどう考えているかが述べられている。

成長しながら力をつけることができれば、自分が楽しいし、いい結果も生まれやすい。 だから、成長は義務などではなく、楽しく生きて、この時代にコースアウトしないためのツールとて考えればいいのではないか。

(中略)

コースアウトする可能性があったとしても、より良い走りをしようと前に出て戦う。そのときは駄目だとしても、成長(変化)を続けて、次のレース、次の次のレースで良い成績を出すようにする。 このような姿勢でいることが、最終的に自分の身を守る。僕は、そう考えている。

自分としては同意出来る考え方である。新しい言語、アルゴリズム、設計手法なんかを使えるようになったりして手数が増えたり、前よりも早く書けるようになったりすると単純に楽しいし、それが結果的に自分の強みにつながる。最終的に報われないこともあるが、それでもまずは楽しむためにやる、という考え方で取り組む姿勢はSWEにとってもマッチするのではないだろうかと思った。

もちろん「それでも成長するだけの価値は感じられないのでやはり疑問が拭えない」という人もいると思うが、どこかで無茶振りをされたりして急に勉強したりしなければならないケースは仕事していると大体どっかである。そういう時に役に立ちそうな考え方が本書には多く記載されている。今後も自分は自分の成長について悩んだら読み返したい一冊である。

*1:「リスクを負わない姿勢が一番のリスクになる」の章より