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日常

漠然とした将来への不安に関する対策

rebuild.fmの132回を聴いていて思ったことに関して

rebuild.fm

rebuild.fmの132回の11:25ぐらいからエンジニアのキャリアの話題になっていて、ゲストのhigeponさんから以下の様な話があった。

  • 大企業に勤めてると終身雇用の時代じゃないから不安になる
  • スタートアップは将来ないかもしれないから不安になる
  • アメリカは実力主義だから自分が将来周りと戦えるのか不安になる
  • 自分の将来のロールモデルとなるような人が見つからないのがあるのかも

自分もベンチャーでエンジニアとして働いている身としてすごくわかる気がする。

この問題は、多分2つの不安に分類できて、

  • エンジニアとして働き続けるだけの実力を維持し続けられるかという不安
  • 自分の勤め先がなくならないかどうかという不安

両者を同時に解消する確実な方法が今のところはないのだと思う。

前者は本人の努力や素質が寄与する部分が大きいと思うが、会社から求められるパフォーマンスが出せなくなった時にどうなるのかというビジョンが見えないことに起因する不安、といったところだろうか。

後者は変化の激しい業界ゆえの不安、といったところか。例え大企業(メガベンチャー含む)にいてもいつ何があるか分からない。海外に出ても海外で戦い続けられるかどうかはそれこそ日本で働いていたのでは測りようがない。これはもうどうしようもないんじゃないか。自分の場合はもうこの稼業を続ける限り回避不可能なんだろうなと思っている。行く所がなくなってしまったら、過去に一緒に仕事をさせていただいた会社を回ってフリーランスで食っていくこともうっすらと考えている。

ところで、他の業界だと新卒から定年間近の人まで幅広い年齢レンジの人がいることが多いか、ら退職までのキャリアパスのイメージをつかみやすいのだろうと思う。一方で、スマホwebサービス系の業界はそうでないのだろうなと思う。(もし誰かwebエンジニアのまま定年退職した人がいたらぜひ定年エントリーを書いていただきたい)

自分の場合

自分も同様の不安はいつも感じている。主に前者の問題について。

今自分はこれから作ろうとする機能のアーキテクチャを考えたり、実装したり、レビューしたり、サーバに入って調査をしたり、といったエンジニア的タスクが一番バリューが発揮できる領域だと思っているので、そこに一番力を入れてはいるが、そこでバリューが発揮できなくなったらどうするか。そういうことを時々考える。

もともと、エンジニアのチームマネジメントに興味を持っていたというのあって、マネージャーという肩書ではないにせよ、マネージャーがやりそうなスケジュールの管理とか、他のメンバーの進捗の確認とかの仕事を率先してやったり、チーム開発の仕組み(レビューやデプロイの仕組みの整備、定例mtgなどのコミュニケーションの仕組み化)の改善を進めたりしている。ある種の保険をかけていると言われれば、そうなのかもしれない。

つまり、生来的に自分がコードを書かなくなった時の次の仕事を得るため布石を打っている、ということかもしれない。今やってるマネジメントに近い仕事は、単純にそういうことをする人がいなくて、自分がチームに必要だと思っているからやっているという方が大きいので、何とも言えないが。

ただ、もっと会社が大きくなって、いざ「フルタイムマネージャーがほしいね」となった時に、会社が私をマネージャーに登用する可能性もあるが、外部からマネージャーを新たに採用する可能性も当然ある。だから確実ではない。

明示的に、今から「自分は将来はマネジメントやります」と宣言したところで、将来のポジションは保証してもらえるものではない。会社がそういうフェーズになった時でも、自分のマネジメントスキルや実績が足りなければそのポジションには付けないだろう。だから、今やってることは、短期的には会社にためになったとしても、自分のキャリアには寄与しないかもしれない。社会は厳しい。

別のポジションをシミュレートしてみるのは割とアリでは

なお、これは根拠の無い、自分の勝手な考えに過ぎないが、今やってる仕事に加えて、「もし違う仕事をするとしたら?」という可能性を考えて、そのポジションであるかのように振る舞ってみるというのは方法としてはアリなのではないだろうかと思う。

先に書いた自分の例は、「現場のエンジニア+エンジニアリングマネージャー」という感じだが、例えば「現場のデザイナー+プロダクトマネージャー」、「現場のエンジニア+インハウスマーケティング担当者」、「現場のエンジニア+採用担当者」といった具合に。もちろんそれが許される職場であるという前提だが、むしろベンチャーではこのようにプラスアルファのポジションの仕事をすることが求められるのではないだろうか。今の会社でも、何人かのエンジニアが何らかの会社の別の業務に携わっている。

これも先に書いたが、そんなことをやっていても自分のキャリアにはこれっぽっちも寄与しないかもしれない。しかしもし自分が、社内外を問わず本格的なポジションチェンジをしようとした時に、「自分は○○という肩書で働いたことはないが、○○というポジションのつもりでこういう仕事をして、こういう成果を出していた。だから○○がやれるはずだ」という理論的なアピールをするのには役立つのではないだろうか。

少なくとも自分は、社内外のエンジニアリングマネージャーのポジションに応募するとしたら、前職からそれに近いことはずっと続けていたのでその内容を根拠に自分にはエンジニアリングマネージャーができる、今はスキル不十分かもしれないができるようになる可能性は高いだろう、と自分を売り込むことができる。

まぁそれで採用されるかわからないから不安なんだろうけど、こればかりは人間的な相性や運も絡んでくるのでなんとも言えない話。

という感じに適当にぶん投げてこの話は終わりにしたいと思う。